心理的瑕疵の取り扱いに関するガイドライン

心理的瑕疵のガイドライン 不動産豆知識

不動産の取引で、物件内で人の死に関する事を「心理的瑕疵」といいます。その物件の事を「事故物件」ともいいますが、その心理的瑕疵について、告知義務の範囲、適切な告知や取扱いに係る判断基準がなく、不動産業者としては取引の判断が難しいという事がありました。
今回、国土交通省で過去に人の死があった不動産について、不動産の取引に不動産業者がとるべき対応に関し、宅地建物取引業法上負うべき責務の解釈についてガイドラインが定められました。ガイドラインは今は案として公表し、6月18日まで一般から意見を募り、その上で決定するそうです。

心理的瑕疵とは

不動産の資料に「心理的瑕疵あり」と書いてある場合があります。

大体の人が、自殺、他殺、事故死だと思いますね。

でも「心理的瑕疵」って調べると、非常に範囲が広い意味で捉えられています。

病死や火災、近くにお墓や嫌悪施設、暴力団事務所や暴力団員が居住している場合も

「心理的瑕疵」というそうです。

でも、だからと言ってその基準があるわけではないんです。

あくまでも、買主や借主の気持ちしだいになるそうです。そのことを知っていたら

購入または借りなかったという判断が重要視されるそうなんですが。

相手の気持ち・・・非常にわかりづらいですね。購入または借りる金額が

安ければ、全く気にしない人もいれば、20年前の話でも嫌がる人もいます。

告知義務とは

不動産の取引において、そのことを買主、借主に対してどこまで告知するかは

取り決めがありませんでした。

宅地建物取引業者の判断に委ねられていました。

高崎不動産の場合は、売主の告知義務と近隣調査でわかりうることは

個人情報以外は買主に告知しています。

いままで、不動産会社によって対応が違っていましたので、国の方で

ガイドラインを作成し、買主、借主が安心して取引できるようにすることに

したみたいです。

心理的瑕疵の取り扱いに関するガイドライン

今回のガイドラインは「心理的瑕疵」でも人の死が生じた場合の宅地建物取引業者が

とるべき対応の内容です。

対象とする不動産の範囲は居住の不動産です。

土地、店舗、オフィス等、その隣接する住居、前面道路は対象外です。

ただし、居住の用に供する専有部分のベランダ日常生活において通常

使用する共用部分の共用の玄関エレベーター廊下階段は該当します。

売買と賃貸に分けてわかりやすくまとめました。

売買の場合

買主に告げること

他殺、自死、事故死、その他原因が明らかでない死亡が発生した場合

(例えば事故死か自然死か明らかでない場合も含む)

発生時期、場所、死因(不明である場合にはその旨)を告げる

買主に告げる必要がないもの

自然死または日常生活の中での不慮の死が発生した場合

老衰、持病による病死などのいわゆる自然死の場合、事故死

(自宅の階段からの転落や入浴中の転倒事故、食事中の誤嚥なども含む)

ただし、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴い、室内外に臭気

害虫等が発生、特殊清掃等が行われた場合においては原則として告げること

賃貸の場合

借主に告げること

他殺、自死、事故死、その他原因が明らかでない死亡が発生した場合

(例えば事故死か自然死か明らかでない場合も含む)

発生時期、場所、死因(不明である場合にはその旨)を告げる

ただし、心理的瑕疵発生から概ね3年間は告げる

借主に告げる必要がないもの

自然死または日常生活の中での不慮の死が発生した場合

老衰、持病による病死などのいわゆる自然死の場合、事故死

(自宅の階段からの転落や入浴中の転倒事故、食事中の誤嚥なども含む)

ただし、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴い、室内外に臭気

害虫等が発生、特殊清掃等が行われた場合においては原則として告げること

売買と賃貸ほぼ内容は同じですが、発生してからの期間が違います。

売買に関しては期間の制限はなし、賃貸に関しては概ね3年間です。

賃貸に関しては3年後はいいんですね。

3年前に起きた殺人現場に知らないで住むのって嫌だなあ。

調査について

調査については売買、賃貸も同じ内容です。

不動産業者が心理的瑕疵を知った場合は、告知書等に記載する

不動産業者が自発的に調査すべき義務として

自ら周辺住民に聞き込みを行ったり、インターネットサイトで調査するなど

ということは必要はないそうです。

理由は、正確性の確認が難しいことや遺族のプライバシーに対する配慮する必要

があるためです。

契約後、引渡し後にそのことを知った場合は宅地建物取引業者に重大な過失が

ない限り、調査は適正になされたものとされます。

まとめ

ガイドラインはあくまでも案ですので、ただいま国民の意見

パブリックコメントを募集している状況です。

今後内容が変わる可能性もありますが、大幅に変更される可能性は

少ないと思います。

国土交通省は期間内で国民の意見を募集しています。

令和3年5月20日(木)~令和3年6月18日(金)まで

「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関する

ガイドライン」(案)に関する意見募集について

不動産会社とすると、宅地建物取引業としての業務対応がはっきりしていると

仕事もやりやすいのですが、以下の事も書いてありました。

「心理的瑕疵の存在に関し紛争が生じた場合の民事上の責任については

取引当事者からの依頼内容、締結される契約の内容等によって個別に判断

されるべきものであり、宅地建物取引業が本ガイドラインに基づく対応を

行った場合であっても、当該宅地建物取引業者が民事上の責任を回避でき

るものではないことに留意する必要がある。」

ガイドラインに則り宅地建物取引を行っても、内容によっては民事上の

責任は免れないという事なのですから、今まで通りわかる範囲はすべて

告知するべきなのかもしれません。

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この記事を書いた人
株式会社高崎不動産  喜多本 博

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