登記情報と営業の仕組みを解説します!
はじめに
親から土地や家を相続したあと、「知らない不動産会社から
売却の手紙が何通も届いた!」
という経験をされた方は多いのではないでしょうか?
実はこれは、不動産業界の営業の仕組みによって起きている
よくある現象です。
この記事では、なぜ相続後に不動産会社から手紙が届くのか
その理由と対策をわかりやすく解説します。
不動産登記は「公開情報」です
不動産(土地や建物)の所有者情報は、法務局で誰でも
閲覧できる公開情報です。
いわば「不動産の名簿」のようなもので、所有者の名前
住所、権利関係などが記録されています。
相続が発生して相続登記(名義変更)が行われると
登記簿上には下記のように記載されます。
田中 一郎 → 田中 花子(令和7年3月5日相続)
つまり、登記簿を見れば「最近この土地・建物が相続された」と
いうことが一目でわかるのです!
不動産会社は登記情報をチェックしている
不動産会社や情報業者は、定期的に登記情報を調べ
「相続によって名義が変わった物件」をリスト化しています。
そのデータをもとに
「相続不動産=売却される可能性が高い」と考え
営業用のDM(ダイレクトメール)やお手紙を送ってくるのです。
当社も送らせていただいております。

なぜ“相続不動産”は狙われるのか?
不動産会社が特に力を入れるのは
相続物件が売却されるケースが多いからです。
相続人の多くは次のような理由で売却を検討します。
①相続した家に住む予定がない
②管理や維持費が大変
③相続税の支払いに現金が必要
そのため、相続直後は“売りに出るかもしれない見込み客”と
して、不動産会社が一斉に営業をかけてくるのです。
なぜ「大量に」届くのか?
登記情報は誰でも入手可能なオープンデータなので
複数の不動産会社が同じ情報を使って営業します。
人気エリアの場合、10社以上から同時に手紙が届く
ことも珍しくありません。
対応・対策のポイント
①手紙の内容を見て、信頼できそうな会社かをチェックする
②「売る予定はない」と返信すれば、多くの場合はリストから外してもらえる
③差出人不明や過剰な勧誘は無視してOK
もし売却を検討している場合は信頼できそうな会社から査定を
取り、慎重に判断するのがおすすめです。

まとめ
相続後に不動産会社から手紙がたくさん届くのは
登記情報が公開されており、営業データとして
利用されているためです。
決して不正なことではありませんが、知らないと
「なぜ自分の相続を知っているの?」と不安になるもの。
営業の仕組みを理解しておくことで、冷静に対応し
必要なときだけ信頼できる会社を選ぶことができます。
2024年4月から「相続登記の義務化」が始まりました。
今後は、より多くの人が相続登記を行うため
このような手紙もますます増える可能性があります。

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